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№2春は書展が花盛り

春は書道展の花盛りである。4月から5月にかけて毎週のように出かける。なかでも書の仲間の書展が多い。書風や作品づくりの傾向はわかっているから、観るほうも気が楽なのだ。しかし、今年は少し違った。ひとつは遺作展となってしまった仲間。生涯残した作品の多数が展示され、その力強さに圧倒された。生きようとした強さが、線の強さに見事に感じられるものだった。

ひとつは勢いのある線を得意とする仲間。なぜか肩の力がすぽっと落ち、言いようのない「間」を作り出した。

ひとつは現代社会のテーマをストレートに書作品とする仲間。書道家は風流や粋なものを書の対象にするのがほとんどの中で、あえて原発や平和、憲法をテーマとして書した。文化人たるもの、雲の上の存在ではなく、地に足をつけている者として、この世でおこっていることに無関心ではおれぬし、意思表示せねばならぬことを学んだ。

ひとつは楷書作品を自らの書道家としてのテーマと言って憚らなかった仲間の行書作品。どんな転機があったのか。それはともかく、楷書人ならではの丁寧な運筆が作品力を上げていた。

人間、いつ、どこで気が変わるかもしれないし、変わらざるを得ない転機がおとづれることもある。また、生涯追い求めているテーマがあってもいい。書する志、動機というものが書道人としていかに必要か、この春は仲間たちに書作品で教えていただいた。

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